私が…望んでいたものは、本当にほしかったものは、こういうものだった

｢出直すんだね　過去など忘れ
手首の傷は　消えないけれど　心の痛みは　僕がいやしてあげる　優しさで｣
１０代の頃に出会った女性(現在、６０歳ぐらい)がよく聴いていた、カラオケでもよく歌っていた歌に、こんな歌詞がある。
私が…望んでいたものは、本当にほしかったものは、こういうものだった。
両親は不仲で、家が嫌いだった。
それでも、家の外に行けば、友人が居たから救いだったけど、高校生ぐらいになると、仲良くしていた友人達に、次々、彼氏ができていって、私との付き合いは後回しになっていった。
友人達には彼氏ができた、けど、私は、好きになった相手には、ことごとく好かれず、つらい悲しい思いをした。
高校を出、社会人になったら、あらたな友達ができたけど…
結局また、高校時代の繰り返し。友達になって、食事やカラオケに行って頻繁に一緒に過ごしていたのに、そういう人達にも彼氏ができ、私と会うのは後回しになった。
そのうち、｢彼氏｣が｢だんな｣になり、友人達はみんな、母になり、私とは、完全に、別の世界の人になり…
たった２１で、友人みんなに置いてきぼりにされ、一人ぼっちになってしまった。
その歌を、はじめて聴いた時。
その…つらさ悲しさを、そんな言葉で受け止めてほしいんだ、そんなやさしさがほしいんだ、と、強く思い、そんなやさしさを強く望んだ。
けど…
うちのボケからは、そんなやさしさを得ることはできなかった…。
何の皮肉だか、くせ悪い冗談だか、ボケも、その歌が好きらしく、カラオケで頻繁に歌っていた。
けど！！！！！！！！！！
やつは、そんなことができる人間ではなかった…
それどころか、そんなつらい悲しい思いして過ごして来たところに、更にひどいことを言われ続け、私という人間、すべて否定され、心を殺され…
その歌が好きだったその女性に、昔、ボケとのことを話し、上記のことも話したことがあった。
家は嫌い、友達にも置いてきぼりにされ悲しかったと。
そうしたらその女性は、それならその分、ボケにたくさんやさしくしてもらいな、と言った。
フォーク(フォークソングのこと)好きに悪い人はいないよ、それに、それだけ歳が離れているなら尚更、思いきりぶつかっていけば受け止めてくれるよ、つらかった分、たくさんやさしくしてくれるよ、などと言われた。
それから何年も経ったけど…
今でも、そういうやさしさは、手に入らない。
まして、ボケからはまったく手に入らない！！！！！！！！！！
フォーク好きとか歳が離れているとか、そんなの知らない、関係ない。
本当に、切実に、今でも、そういうやさしさがほしい。
今は…友達に置いてきぼりにされ続けた、その時よりもずっとつらい。ずっと一人ぼっち。