夫の事は 絶対に許せない。 だからといって 泣き寝入りも嫌だ。 死ぬより辛い思いさせてやる

死ねば良いのに。
死ねば良いのに。
何度ノートに書いただろう？
思う度に、
口に出せない代わりに
日記帳へそう書き込んで
怒りを飲み込んできた。

でも、
実際死なれたら
困るのは自分。

夫が死んだら
おそらく
私一人の技量では
会社を維持してはいけないだろう。

それならそれで、
資格や経験を活かして
務めに出たら良い、とも思う。

でも、
会社畳むにしても
残務整理やらなんやら。
出来る限り周りの方
従業員に、迷惑がかからない様に。
そう思うと
死んでくれたら良いのに。
とは思いつつ
その反面で
困るのは嫌だとも面倒臭いとも思う。

そこで
発想を変える事にした。

これからは
今まで以上に
夫に尽くし、
今まで以上に
耐え忍び、
出来る限り笑顔で過ごし
秋までには
新しい資格を取得し
更に仕事の幅を広げ
信用と実績を
揺るぎないものにして、

今まで以上に
私がいなくちゃ困る

状態にしてから

行方不明になってやろう。

夫の事は
絶対に許せない。
だからといって
泣き寝入りも嫌だ。

死ぬより辛い思いさせてやる。

なにより大事な
仕事を奪ってやる。

社会的地位も
全て全て
一切合切
足下から崩れてしまえ。

大嫌いになれたら
こんなに苦しまず済むのだろうけれど、
愛情の裏返しは
憎悪だという事を
身をもって知れば良い。