人の気持ちを察すること、理解しようとすることを悪魔はしないのだった

常日頃、私が悲しむこと・苦しむことが嬉しくて仕方がない悪魔、夫。私が息子の次に大切に大切に可愛がっているインコを放鳥してる時にいつも窓を開ける。何度も何度も言っても。ジジイだからもうろくして忘れるのか、忘れたふりしてわざと開けるのか。息子はわざとだろうと言う。
さっきもやったので慌てて「インコが出てる！」と叫んだら逆ギレ。
あまりに頻繁だし逆ギレに腹が立ったので、夕食を出さなかった。少しは私の気持ちを察するかと思い。
ところが、あなた（私）はおかしい。突然ごはんを出さないなんてと怒鳴り出した。
そうだった。人の気持ちを察すること、理解しようとすることを悪魔はしないのだった。わかり切ったことだったのに。ムダなことをしてまた不愉快な思いをしてしまった。
この数年でとうとう鬱にもされた。白髪は2倍くらいに増えた。膝を痛めても注射を打ちながら毎日仕事に行く。家にいたらまた壊れてしまうから。
神様、いつになったらアイツの命を終わらせてくれるのでしょう。イヤ違う。神様じゃない。閻魔様だ。悪魔の行き先は地獄しかない。
本屋で「70歳死亡法案、可決」と言う小説を見つけて飛びついた。高齢化で医療費や年金支給が逼迫した日本が、70歳になった年寄りは安楽死させる法律が出来た、という話。悪魔は74歳。
私はまだ60。あと10年しか生きられないとしても今ならまだ動ける。悪魔は、1日でも長生きしたいと身体のメンテに余念がない。100まで生きられたら、私は80を超えてしまう。10年でいい。今すぐ自由になりたいと心から思った。