何も考えられない

何も考えられない、比喩ではなくてなにも考えることができていない。
なぜこういう状態になっているのか、言葉ではなく思い出すことはかろうじてできるし、それはこのサイトに登録するようなことなのは確か。
でもそのことについて何か考えたり説明したりしようとすると頭にモヤがかかって、ほどほどにしないとパニックを起こして自分の腕やすねを血が出るまでひっかく。そのまま疲れ果てて床などで寝るので、眼が覚めると出血痕にホコリがびっしりついてかさぶたといっしょに固まっている。
説明することができないので、通わせてもらっているカウンセリングでは雑談ばかりしている。毎回１時間ずっと躁みたいにテレビで見た豆知識とかを披露している。
旦那とニコニコ仲良くしているのがなにかおかしいという認識はある。
認識はぼんやりあるのだが、とにかくなにも考えることができない。なにも考えることはできないのだが、だからこそなにも考えないで、かつての自分の行動パターンをなぞることしかできない。
そのかつての自分というのが、つまり、旦那と恋人だったころの自分なので、ものすごくハイテンションに旦那とデートして、いっしょにゲームして盛り上がって、並んでアマゾンプライムの番組を見て、げらげらげらげら笑っている。
頭が真っ白で、単に思い出せる行動パターンが、時系列的に近いやつしかないからそれを繰り返している、そういうロボットに乗っ取られているような感じで、そうしている間にも頭の奥がガラガラガラグチャグチャとなって、体力が尽きたとたん暴れ出してひっかいて血まみれになって倒れる。
そうなることをわかっていて、あまりわたしが躁っぽいときに助長しないでほしい、ということは旦那に伝えた気がするのだが、えーとほんとに言ったかはあいまいだが、やっぱり毎週なんだかふたりで盛り上がってショッピングモールにデートに行くことになってしまう。
旦那もこうなった原因だという自覚がありわたしに負い目があるせいか、わたしが頭カラッポでかわいーいこれすごーいと言ったら、猫なで声でそうだねーそうだねーと言いながらどんどん買ってしまう。別に冷静に考えたらいらないというか、感想を言っているだけ、というか、ショッピングモールでそういうことを言うというそれっぽい行動を繰り返すロボットに体を乗っ取られているだけなのだが、否定したり拒否したりする気力がないというか頭が真っ白でいろんなものがどんどん旦那に購入されてしまう。夜になって我に帰るとパニックを起こす。
なんだかとにかく私がなにも考えていないということはわかるのだが、そこから先をなにも考えられない。病院には行った。薬が出るほどではないと言われた。にこにこしていて最近は顔色も良くなったと言われる。カウンセリングで雑談ばかりしている。